


親から相続した実家や長く使っていない空き家など…
「そろそろどうにかしないと」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
空き家は、固定資産税などの維持費や植木・雑草の手入れ、老朽化、防犯面など、持っているだけ数多くの問題が発生しますので、使用予定がない場合は解体を含めて早めに検討することをおすすめします。
とはいえ、空き家の解体は人生の中で何度も経験するものではありません。
空き家解体は「業者に頼めば終わり」というものではなく、事前の片付けやライフラインの停止、近隣への配慮など、準備しておきたいことがたくさんあります。
気になる費用面のことやトラブル事例などを交えながら、空き家解体の大まかな流れをまとめましたので、解体を検討中の方はぜひご参考ください。

空き家の解体を考える前に「本当に解体が必要かどうか」を検討する必要があります。
建物の状態や今後の活用方法によっては、解体以外にも以下の選択肢があります。
長期間空き家になっている建物は老朽化が進みやすい(またはすでに進んでいる)ため、解体した方が良い可能性があります。
しかしながら、建て替えよりもリフォームの方が安く済むため、今後も同じ場所に住み続けるのであればリフォーム等も検討した上での判断が望ましいです。
中でも外壁と屋根の状態は解体を判断する大きな材料になります。

処理が面倒だったり、特にデメリットが無かったりする等の理由で空き家をそのままにしてしまうケースもありますが、放置にはさまざまなリスクがあります。
換気不足による湿気・雨漏り・害虫や害獣の発生など、劣化のスピードが想像以上に早くなることがあります。
雑草の繁殖・落ち葉の飛散・害虫の発生・放火リスク・外壁材の落下・景観の悪化などの問題から、近所の空き家が放置されることを近隣住人はよく思いません。
危険な状態の空き家は、自治体から改善や管理を求められるケースがあります。
状況によっては、所有者として早急な対応が必要になることもあるため注意が必要です。
このように、老朽化した空き家は防犯面や近隣に影響を及ぼす恐れがありますので、とても住める状況ではない・リフォームの検討の余地が無い等であれば解体することをおすすめします。

解体費用は建物の構造や広さ、立地条件によって変わります。
坪単価のおおまかな目安は、構造別に以下の通りです。
| 木造 | 3~6万円前後 |
|---|---|
| 軽量鉄骨 | 4~7万円前後 |
| 鉄筋コンクリート | 6~10万円前後 |
木造30坪の場合、90~180万円前後が目安になります。
重機が入りにくい立地や塀の解体作業が負担になる状態、井戸・浄化槽がある場合は費用がさらに高くなる可能性がありますので、正確な見積もりには現地確認が必要です。
解体工事の前には、いくつか準備しておきたいことがあります。
業者側に代行してもらえることもあれば、ご自身でしかできないことがあるので、事前に整理しておくようにしてください。
解体業者にプラス費用を払って全部処分してもらえる場合もあります。
行政から委託を受けているゴミ回収業者など、不要品の処分を安く対応してくれる業者やサービスもありますので、気になる方は見積・比較をしてみると良いでしょう。
解体前の残置物処分はスピード重視で進むケースもあるため、思い出の品がある場合は事前に分けておくと安心です。
解体工事では騒音・振動・ホコリ・業者の出入りがあるため、事前に近隣へ配慮しておくことで、トラブル防止につながります。
近所への挨拶はタオルなどの粗品を持って業者側が標準サービスとして対応してくれることもありますが、家主からも直接挨拶があると印象がよくなります。
ライフラインの停止は、原則として契約者本人もしくは遺族でないとできません。
特に電気やガスは事前連絡が必要になることが多いため、早めに確認しておきましょう。
解体業者によっては、作業が終わるまで水道の契約を残しておくよう指示される場合があります。
空き家解体の業者が決まったら、日程を含めて業者と事前相談してから手続きすると安心です。
少しでも費用を抑えるのであれば、不用品の整理や小物の片付け、庭の雑草除去などをご自身で行うという手があります。
空き家解体業者に頼むと割高になることがありますので、あらかじめ持込処分やゴミ回収業者に依頼しておくことで費用を安く抑えられる可能性があります。
ただし、必ずしも解体業者の方が高いとは限りませんので、解体業者の見積りを取得した上で回収業者と比較する形がよいでしょう。
また、価値がありそうな物はリサイクルショップやフリマサイトで現金に換えることもでき、トータルでの支出を抑えることが可能です。
なお、庭の雑草除去などは重機を使って作業すれば特段大きな負担ではないため、大きな値下げにはつながらないことが多いようです。
自分でできることを積極的にすれば、空き家解体の費用を安く抑えることが可能ですが、建物の解体作業や屋根作業、危険物の撤去などは危険を伴います。
素人が無理して危険な作業領域に踏み込むと、事故の原因になりますので、無理をせず専門業者に任せる判断も大切です。

空き家解体の一般的な流れは以下の通りです。
工事内容によって期間は変わりますが、数日から数週間程度かかるケースが多いです。
空き家解体のよくあるトラブルとして「費用面によるトラブル」「近隣住人からクレーム」などが挙げられます。
特に依頼主の立場であれば費用が後から発生するのは避けたいところです。
業者側による悪意のある対応ではなく、解体後に地中埋設物が見つかるなど、やむを得ず追加コストが発生するケースもあります。
そのため、追加費用が発生することはないかを事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
なお、豊富な実績がある業者であっても、水道管の誤切断をすることがあり、事故を100%防ぐことはできません。
よくあるトラブル事例を把握しておき、事前にシチュエーション別トラブル対応の説明をしてもらうことが大切です。

解体工事は現場対応の品質差が出やすいため、施工管理やスタッフ教育がしっかりしている業者を選ぶことが大切です。
建築と違って安さを重視する方も多いですが、適切な届出をしているなど最低限のチェックをしておきましょう。
価格だけで決めると、あとからトラブルが発生することもあるので注意しましょう。
複数社を比較するのもひとつの方法です。
不動産業者(宅建業者)は空き家の解体やリフォームを行っている業者との繋がりが強く、優良業者と提携している可能性があります。
そのため、解体業者を知りたい・選ぶことができないという方は不動産会社に紹介してもらうというのも一つの手です。
紹介された業者と自分で探した業者それぞれから話を聞いておけば、より安心して業者を選定できます。
空き家解体は、単純に建物を壊すだけではありません。
費用・準備・近隣対応・業者選びなど、確認しておきたいことがいくつもあります。
初めてだと不安もあるかもしれませんが、流れや全体像を知っておくだけでもグッと進めやすくなりますので、まずは「やること」を整理するところから始めてみましょう。